名称 | 書誌情報 |
書名 | コトバ ガ カワレバ シャカイ ガ カワル |
| ことばが変われば社会が変わる |
叢書名 | チクマ プリマー シンショ |
| ちくまプリマー新書 |
| 463 |
著者名1 | ナカムラ モモコ |
| 中村 桃子/著 |
| 上智大学大学院修了。関東学院大学教授。博士。著書に「「自分らしさ」と日本語」「女ことばと日本語」など。 |
出版者 | チクマショボウ |
| 筑摩書房 |
出版年 | 202407 |
ページ | 222p |
サイズ | 18cm |
ISBN | 978-4-480-68487-5 |
価格 | 880 |
内容紹介 | 「セクハラ」ということばは社会の何を変えた? 流行語「女子」がもたらしたものとは? 新しいことばの普及や流行語が起こす社会変化に注目し、ことばが社会を変化させるメカニズムを明らかにする。 |
内容紹介2 | 「セクハラ」ということばが広く使われるようになった結果、セクハラが目に見えるようになったように、ことばには、社会の見方を変化させる力がある。笑えるエピソードや具体例をたくさん盛り込みながら、ことばが社会を変化させるメカニズムを明らかにする。 |
| 「社会反映論」と「社会構築論」 |
| ことばが社会を変化させるメカニズム |
| 「言語変化」から「社会言語学的変化」へ |
| ことばの価値や使い方の変化に注目する |
| ことばが変わることにはどの社会でも強い抵抗がある |
| 本書の構成 |
| 第一部 ことばが社会を変える-「セクハラ」「イケメン」「クイア理論」 |
| 第一章 「セクハラ」は社会の何を変えた? |
| 「この新しいことばが事態を激変させる」という確信 |
| 「セクハラ」の意味をめぐる闘争 |
| セクハラを防止する義務と法改正 |
| 新しいことばは新しい考え方を提案する |
| 大人の女性社員を「女の子」と呼ぶこと |
| 男性も「見られる客体」になった |
| 「伝統」や「習慣」をカラッと転換させるカタカナ語 |
| 被害者ではなく加害者に視点を移動させることば |
| 第二章 戦略としての「あえて」と「ラベル」 |
| 「男になる、男にする」と「女になる、女にする」 |
| 否定的なことばとしての「女」「男」 |
| 「おかま」をめぐる逡巡 |
| ラベルを増やして二分法の境界を揺らす |
| セクシュアリティは社会的につくられる |
| 曖昧な生物学的性別 |
| 「異性愛」ということばが遅れて登場した理由 |
| セクシュアリティは語られることでつくられる |
| 異性愛を「自然で自明のもの」とする規範 |
| 二項対立をゆるがす「クイア理論」「交差性」 |
| メディアはいかに人を<他者>として描くか |
| 規範にもグラデーションがあることがわかると二項対立の意味もなくなる |
| ゲイカップルにおいても規範は生まれる |
| たくさんのラベルが必要だとわかった |
| 第二部 変わっていく意味-拡大・規制・漂白 |
| 第三章 流行語「女子」がもたらしたもの |
| ことばの意味が変化していく過程 |
| 「婦人」→「女性」→「女子」 |
| 「女子会」「リケジョ」の登場 |
| 「女子」の経済効果 |
| 自分の人生の主役でありたいというメッセージ |
| 循環することば、結びつく領域 |
| 女性たちによる保守運動 |
| 伝統的な「女らしさ」と過激な行動の矛盾 |
| 「女子」によるラッピング戦略 |
| 第四章 “girl power”はなぜズレていったのか |
| 「女子力」とはどんな力なのか |
| 新自由主義社会の女子力 |
| かっこいい生き方としてのgirl power |
| 脱毛広告の「GIRLS POWER」 |
| 「キレイになるとつよくなれる」? |
| 言語を超えてずれる意味 |
| いまある考え方を変えない意味を与える |
| 既存の価値観がすべてではない |
| 第五章 誰が意味をはがされるのか |
| 怒り狂うガービー先生 |
| 「間違った名前を使う」という権力 |
| 名前を聞き直されたら? |
| 訂正をしなければいけなくなるのは誰? |
| イングリッシュネームの功罪 |
| 下の名前で呼び合う男子学生 |
| 習近平は「しゅう きんぺい」か「シー・チンピン」か |
| なんでも略す日本人と「意味の漂白」 |
| 視聴者はメディアの言葉を自在に使いこなす |
| 否定的意味をはぎとる |
| 第三部 ことばを変えられないのはなぜか-言語イデオロギー |
| 第六章 「ルール」を優先してしまう私たち |
| パートナーの呼び名問題 |
| 社会の権力構造と言語イデオロギー |
| 呼び名がつくる関係 |
| しっくりこない「ご主人」「嫁」 |
| 他人のパートナーをどう呼ぶか |
| 松山ケンイチの「嫁」 |
| 「大谷翔平の妻」を日本のメディアは何と呼んだか? |
| 「他人のパートナーは丁寧に呼ぶ」というルール |
| 戦後までは「夫」が使われていた |
| 「主人」の<高級感> |
| 第七章 「パートナーの呼び名問題」解決編 |
| 呼び名の代案とその問題 |
| 「パートナー」は結婚していない人なのか |
| こんがらがるMs.Mr.Mrs. |
| 対等なパートナーの呼び名は七〇年前から提案されてきた |
| 「正しい日本語」を話したい |
| 正しい話し方のルールに従う重要性 |
| アメリカの大学では先生をどう呼ぶか |
| 「自分で考える」より「正しいもの」を選びたい? |
| 誰かに決めてほしい |
| 法律で決めればすぐに変わる |
| 普及のために(1) 組織で取り決めてしまう |
| 普及のために(2) <高級感>を逆手に取る |
| はじめは慣れないけれど聞くうちになじむ |
| 複数の呼び名の使い分けが楽しめる社会 |
| おわりに |
| 注 |
件名 | 日本語 |
| 言語社会学 |